サメビタキ属 / Muscicapa
少し涼しくなった朝の運動公園が、秋の渡りで賑やかになってきた。広場に面した木立のいたるところから、虫を狙ってサメビタキ属の鳥たちが飛び出してくる。
コサメビタキ、サメビタキ、エゾビタキの3種は同じような場所で出会いやすい。いずれも図鑑的な特徴はあるものの、実際に写真に撮ると、個体差や光の具合、撮影角度によって、意外に微妙な差しかなく、迷ってしまうこともしばしば。サメビタキ属の識別については、手持ちの図鑑のほか、大阪南港野鳥園さんの解説を参考にさせていただいた。
コサメビタキ。太くて明瞭なアイリング、胸から脇の薄い斑紋、下尾筒の暗色斑無し、から判断。目先は普通は白っぽいとされるが、あまり白っぽくない。
胸から脇の明瞭な縦斑からエゾビタキと思われるが、サメビタキにも縦斑が明瞭な場合があるとされるため、次写真でその他の特徴も検証してみる。
同一個体の異なるアングルを並べたもの。アイリングは細い。エゾビタキは不明瞭、サメビタキは明瞭とされ、写真のものは不明瞭、と言えるかもしれない。目先はこの角度では見えにくい。顎線と頬線の間は、左写真は不明瞭だが中写真は比較的明色ではっきり見える。他で参照した写真の例からすると、エゾビタキとサメビタキどちらもありえそう。サメビタキの特徴である下尾筒の暗色斑は見えない。最後、右写真、上面に褐色味が強く、エゾビタキのように見える。
以上より、やはりエゾビタキだろうと結論。
こちらはエゾビタキ。
胸の淡色、幅広い黄色の嘴のコサメビタキ。
コサメビタキ。
ヤマガラの正面ショット。
キビタキもいた。
再びコサメビタキ。
最後もコサメビタキ。2羽目のエゾビタキかサメビタキか迷ったところが間違えてなければ、結局サメビタキには会わなかったらしい。