秋の芸北2021(一日目)/ North Hiroshima in Autumn 2021 – day 1
広島県北部、スキー場の集まる芸北エリアは三段峡を始め紅葉の名所として知られている。三段峡も良いが、臥竜山周辺の探鳥エリアの高原感が好きなので、風景を撮るときもこちらに足が向いてしまう。
紅葉の色づきで一番好きなのがオレンジ系の色だ。ただ、モニターで扱うオレンジ色は記憶色に対してかなり地味な発色になることが多く、RAW現像では気を遣う。彩度を上げすぎると色飽和したり、途端に嘘くさい絵になったりして、加減が難しい。
モミジの仲間だが、樹種の同定は部分的な写真だと意外と大変である。もっとも、身近な野鳥くらい識別できるようになりたいと思っていて、野鳥は多少分かるようになったのだから、植物についても勉強したいところだ。
うっすら霧が立ち込める牧場の朝。
観光コースではないので、ほとんど車も通らない。
誰ものぞかないような林の奥で。
たれ込める霧はあっという間に変化して消えてしまう。
秋だからといって、紅葉ばかり撮らないといけないわけではない。笹が作る緑の絨毯も美しい。
笹とモミジがつくる、トンネル的な空間。
ウバユリの房が裂けて種が出てきそうだ。
朽木から樹皮がほとんどはげ落ちて、テープをぐるぐると巻き付けたような状態になっていた。
モミジ・カエデの中では好きなタイプの葉。コハウチワカエデだろうか?
聖湖畔から、臥竜山(刈尾山)方向を望む。山を光が照らすのを待っていたが、暗くなり諦めて移動した。後で、ドラマチックな夕日が一瞬だけ差してきたのを見て後悔…。
とはいえ、写真ではわかりにくいが実は臥竜山の上半分程度は落葉してしまっている。今年は秋に入ってもしばらく暖かい日が続いたせいか、気温が下がる山の上部だけ先に紅葉が進行しすぎてしまったようだ。
この日は聖湖キャンプ場で車中泊キャンプである。目的は撮影なので、せっかくのキャンプだが最小限の道具しか持参していない。夜は寒いので、米は炊く。せめて風呂に入って温まりたかったので、利用できる風呂を探すと、キャンプ場の近くに「小板五右衛門風呂」の文字が。ここはキャンプ場でもあるようだったが、風呂だけの利用も可となっており、お邪魔した。
浴槽が本当に鉄の釜になっていて、主人が外で薪を焚いてくれる。薪の燃える臭いがあたりに充満して、野性味がある。一方、設備は比較的新しいらしく、浴室など清潔感があって、大変気持ちの良い五右衛門風呂体験となった。周囲から煮られて温まった感がすごい。
二日目に続く