隠岐 その1 / Oki islands Part.1

「隠岐」といえば皆さん何を思い浮かべるだろうか?

西郷岬からの眺め a view from Saigo cape
隠岐ジオパーク空港そばの西郷岬灯台から西郷港を望む

島流しが思い浮かんだ人は歴史好きかもしれない。

もちろん歴史的にも非常に面白い島なのだが、実はその自然環境も注目されている。隠岐諸島は大きく島前、島後エリアに分かれているが、その両方とも巨大な火山が由来(地図を見てみよう!)。そのため本土ではあまりお目にかかれないような雄大かつダイナミックな地形が広がる。こうしたユニークさが認められて「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」として認定されている。

自然が豊か・混まない・歴史あり・食事おいしいと何拍子も揃った山陰が大好物の身としては、この隠岐が気になって仕方がなかった。そんな折、GWに家族旅行として行くことが決定。撮影旅行というわけではないが、隠岐の魅力を少しでも写真でお伝えしたいと思う。

その1は隠岐でも人口が多く、玄関的な島後(隠岐の島)を、その2では離島らしい楽しさを満喫できる島前(中ノ島、西ノ島、知夫里島)を取り上げる。一番のお目当ては島前である。

西郷岬灯台 a lighthouse at Saigo
白さが眩しい西郷岬灯台

隠岐への行き方は、境港からフェリーまたは高速船に乗るルートと飛行機ルートがある。飛行機は出雲と大阪を結ぶ。

離島旅行では、海上の状況によって船便が欠航する問題がある。大抵は何ヶ月も前から予約して行くので、無事に予定通り行って帰って来れるかはわりと運任せ。船に比べると飛行機の方が欠航リスクは低い気がするが、こちらは相応に値段が高い。待ち時間も入れると、所要時間は高速船と比べれば実は大きく変わらない。

どれも一長一短だが、今回行きをフェリー、帰りを高速船にした経験からすると、高速船が所要時間、値段、快適さのバランスが良いように思った。GWのフェリーは2等が足も伸ばせない状況だったので、追加料金を払って特2等に移ったら随分楽に過ごせた。混み具合を見て判断すればいいのでおすすめ。

レンタカーは島内の移動に必須となる。確実に予約しておきたい。軽自動車で十分である。むしろ狭い道も多いので軽自動車の方が走りやすい。

知夫里島でドライブ drive at Chiburi Island
知夫里島をドライブ

さて、実は近年の自然災害の影響を受け、2022年5月現在、島後の名所のいくつかが通行止めのため見ることができない。有名な岩倉の乳房杉も不可。早々の復旧を願うばかりだ。

そんな中で訪問したのは水若酢(みずわかす)神社。平安時代、『延喜式』の神名帳に記録された神社であり、古くより信仰を集める由緒正しい神社といえる。
本殿は隠岐造りと呼ばれ、国指定重要文化財となっている。

水若酢神社 Mizuwakasu shrine
家族旅行なので普通に記念写真。子供たちはあまり興味を持たないので車で留守番。もったいない。

境内は思いのほか広く、歴史を感じさせる空間。立派な土俵もある。

水若酢神社 Mizuwakasu shrine
境内の裏手。結構広い。

おみくじの種類が多く、好きなだるまを選ぶだるまおみくじがかわいい。

だるまおみくじ Daruma doll fortune
だるまの表情はひとつひとつ違う。そのまま置物として飾れる。

敷地内にある隠岐郷土館。隣の建物ではお土産も買える。藻塩チョコは島内にいくつか種類があるらしく、ここで買えるものがお手頃のようだ。

隠岐郷土館
白壁のクラシックな外観が目を引く

島後での夕日のおすすめスポットの一つ、油井前の洲。時間帯はまだ夕日には早かった。遠浅の浜が空を反射する。

この島は一周が200kmほどもあり、実はかなり広い。観光スポットに寄りながら島を一周するのは相当タイトスケジュールを覚悟しないといけない。ここ油井前の洲も宿のある西郷からは離れているので、本当は日没に来てみたかったが断念。

油井前の洲 Yuimae-no-su beach

名所の多くが通行止めのなか、壇鏡の滝はGW期間に合わせて通行再開されていた。

滝は定番の景勝地ではあるが、本音を言うとあまり期待はしていなかった。滝なんてどれも似たようなもんでしょ?という感じ。それでも他によい候補もなく、立ち寄ることに。

壇鏡の滝への入り口 an entrance of Dangyo waterfall

杉の巨木から始まる参道を上がっていくと、突き当りに滝と社があった。滝は想像の三倍はあって、ちょっとびっくり。いい意味で期待を裏切られた。50mmレンズしかなく、とても全容を写しきれなかったので、20枚ほどで縦パノラマにしてみた。

壇鏡の滝 Dangyo waterfall
スケール感を出すために人に入ってほしいところだが…

上の写真に見えている社や滝つぼの付近は落石が多いらしく、進入禁止とはいかないまでも注意書きが出ている。確かに風化が進んでいかにも落石しそうな岩肌ではある。

注意書きには日本語と英語バージョンがある。その比較が興味深い。
日本語は「進入はご遠慮願います」と、どちらかと言えばやめてね?というトーンであるのに対し、
英語は「Enter at your own risk」であり、自己責任でどうぞ、である。
単に英訳したという感じではなく、英語圏の文化、考え方まで踏まえて作成されたと思われる。

春の離島ということで、渡り鳥観察を期待して超望遠レンズも持参した。しかし、こちらの成果はいまひとつ。

なにせ離島とはいえ一周200kmの島。全くポイントが絞り込めない。きっといろんな鳥が上陸はしていると思うのだが…。

牛とたわむれるハシブトガラス
牛とたわむれるハシブトガラス

翌日、レンタカーを返す前に立ち寄った玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ)。西郷港から車ですぐ近くにある。
小さな神社だが、隠岐三大神社の一つとされこちらも格調高い。入口の巨木はなかなか見ごたえがある。

玉若酢命神社

その2(島前編)へつづく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です