シロカネイソウロウグモ / Silver freeloader spider (Argyrodes bonadea)

洗濯物を畳んでいると、ゴマ粒のような小さなクモを発見した。胴体は2mmもない。しかし腹部が銀色に輝く美しいクモだったので、とりあえず捕獲。

金属光沢のある小さなクモ
金属光沢のあるクモは珍しい

調べてみると、このクモは「シロカネイソウロウグモ」という。ジョロウグモなどの巣に文字通り居候している。日本では一般的に見られるイソウロウグモである。

ジョロウグモの巣なら家の周りにたくさんある。最近あちこちに巣を張るので、我慢の限界が来た妻が今日、ホウキで払っていたのを思い出した。巻き添えで追い出されたイソウロウグモが、さまよった挙句、洗濯物に避難していたようだ。

シロカネイソウロウグモのマクロ写真
とにかく小さい。普通のマクロでは足りないので、2倍テレコンを投入。ストロボも必須だ。 | Nikon D500 + SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG + TC-200 (2x)

なぜ銀色なのか? 私見だが、これはクモの糸が巻き付いた羽虫やゴミに擬態しているのではないだろうか。安全に居候するためには、宿主のジョロウグモから捕食されてはいけない。大きなジョロウグモは小さな羽虫などは巣にかかっても無視しているし、既にぐるぐる巻きになった虫は食べかすなので関心がない。シロカネイソウロウグモはそうした姿に進化したのかもしれない。

後日、実際にジョロウグモの巣を観察すると、シロカネイソウロウグモを何匹も見ることができた。銀色の姿は巣の上では目立たない。

シロカネイソウロウグモのマクロ写真
落ち着きなく動き回るので撮影は大変だった
糸を出すシロカネイソウロウグモ
他人の巣に居候してはいるが、クモなので自分でも糸は出せるらしい
歩くシロカネイソウロウグモ。下に姿が反射して見える。

洗濯物畳みから思わぬ発見をした日でした。シロカネイソウロウグモは9月~10月ごろに見やすいそうなので、あなたも探してみてはどうだろうか。

ちなみにタイトルの英語名Silver freeloader spiderは、学名Argyrodes bonadeaではさっぱりイメージが湧かないので私がテキトーに付けた直訳です。

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