青木ヶ原樹海 / Aokigahara Sea of Trees

河口湖、山中湖、精進湖からの続き

青木ヶ原樹海は西暦864年の貞観噴火によってできた溶岩台地の上に形成された森である。元々が溶岩ででこぼこしているうえに土が薄く、木が深く根を張ることができないため、独特の異様な景観を呈している。苔むした深い森のイメージそのままで、非常に神秘的だ。ずっと歩いてみたかった場所だ。

「入ったら出てこられなくなる」イメージもある樹海だが、実際は遊歩道が広く整備されており普通にハイキングできる。富岳風穴の駐車場に車を停めると、すぐ近くにいくつか入り口がある。

車道から少ししか離れていないが、すでに鬱蒼としている。| Nikon D750 + AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
巨大な根で地面にへばりついている。
栄養も光も乏しい環境で、植物にとって過酷だろう。動物の気配も感じられない。
ツルシキミの群生が暗い林床で光を反射する。
コケは樹海の景観を作り出している大事な要素の一つ。写真はヒノキゴケ。| Nikon D750 + SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
大木の付け根もびっしりコケに覆われている。
朽ちた木が分解されて新たな土の一部になる。これを繰り返して森は今の姿まで成長してきた。
これでもかとうねる木。プレッツェルに似ている?

この日は日曜日で、周辺の有名どころは大混雑、道路もバンバン車が走っている。でも、樹海には誰も来ない。本当に来ない。なにせ、出発から3時間近く経って、ようやく一組のハイカーが追い越して行っただけなのだ。結局、6時間滞在した間に、10人ほどしかすれ違わなかった。おかげでこの素晴らしい風景を存分に味わうことができた。

所々、誰かがつけた道のようなものがある。好奇心がそそられるが、よく似た景色が続くので、夢中になっていると本当にどこから来たか分からなくなる可能性がある。遊歩道から離れないのが無難。
20cmを超えそうな巨大なサルノコシカケの仲間をよく見かける
タコの足のように張り巡らされた根
岩とコケと樹木が一体化している
風化する溶岩も徐々に土になっていくのだろう
薄い地表から丸ごと剥がされて倒れている。早送りにしてどうなるのか見てみたくなる。
普通にハイキングできると言いつつ、不穏な落とし物に出くわすことも。ネタかとも思ったが、市販の立ち入り禁止テープに「察」の字が入っているものはなかった。まあ、ただのゴミです。

時間を決めずに歩いてみたら、当初見込みの3時間の倍も滞在してしまった。本当に神秘的で素晴らしい森なので、是非これを見た方も行ってみてほしい。イメージ先行で食わず嫌いしているのはもったいない。

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