道東 2日目 羅臼 / Eastern Hokkaido Day 2 Rausu

別当賀〜羅臼

フレシマ湿原を離れ、風蓮湖、野付半島に寄りながら羅臼に向かう。

ノスリ Common Buzzard
道路脇の支柱に立つノスリ

枯れ木の立ち並ぶ姿は野付半島のナラワラ、トドワラが有名だが、風蓮湖沿いにも見ることができた。

枯れ木の立ち並ぶ草地 Meadow lined with dead trees
こちらも荒れ果てた雰囲気で趣がある。
氷の上に集まるカモメの群れ flock of seagulls gathering on ice
池もようやく凍り始めているという時期。ウミネコ、カモメ、オオセグロカモメ、ユリカモメ。写真にはいないがシロカモメもいた。
氷の上を歩くオオハクチョウ Whooper Swans walking on ice
まだ氷に慣れないのか、時々滑りながらおっかなびっくり歩くオオハクチョウたち。
粉雪の降る中、木に止まるオジロワシ a White-tailed Eagle perches in a tree during a powdery snowfall
北に向かい野付半島が近づくにつれて、雪雲が迫ってきた。少し雪がちらつく中、日が差したオジロワシ。

長大な砂州が30km程も伸びる野付半島は今回じっくり見たかった場所の一つ。独特の景観が楽しめるほか、野鳥観察にも適している。先端部にはユキホオジロが飛来することが知られている。翌日の訪問がメインの予定だが、下見とあわよくば探索も兼ねて立ち寄ることにした。

湾内の陸地に枯れ木が密集している。空には雪雲が覆いかぶさっている。 Dead trees are clustered on the land in the bay. The sky is covered with snow clouds.
立ち枯れた木が異様な景観をなす野付半島のナラワラ。
光が差す湾内の風景 Scenery of the bay with light
霧多布からずっと荒涼とした景色が多い。
粉雪が舞う荒涼とした半島を歩くエゾシカ Ezo sika deer walking on a desolate peninsula with powdery snow
どこでもエゾシカがいる。どのくらいの行動範囲なんだろう。
雲間から太陽の光が湾を照らす Sunlight shines through the clouds on the bay.
平坦な半島で起伏はないので、風景撮影は思っていたより難しい。

しばらく車を走らせるとネイチャーセンターがある。この少し先はダートになっていて、車で侵入するためには許可証を申請しないといけない。発行に特に制約はなさそうだが、センターの営業時間内(9時〜16時)に行って帰る必要がある。

センターにてベテランレンジャーと思しき職員にユキホオジロについて尋ねたところ、先端まで行き帰りだけで2時間かかるとのこで、今日は実質無理との回答。

それはともかく、少々不愉快だったのはこの方が終始小馬鹿にしたような態度だったこと。私も若く見える方なので、いかにも未経験者がSNSで見たカワイイ鳥を探しにきましたぁ!という感じだったのだろうか?

彼らの仕事は少なくとも自然に親しむ人の裾野を広げることのはずで、センターもそういう趣旨だろう。素人が単独で行ってもムリですという態度ではなく、どうすれば確率を上げられるか、楽しめるかなど前向きに提案していただきたいものである。

草むらを歩くオスのエゾシカ Male Ezo sika deer walking in the grass
センターを出ると道路脇にシカがいた。望遠レンズもいらない。
雪の降る中、車で移動する Driving around in the snowy weather
暗くなる前に羅臼町に向かう。こちらは積雪していた。

羅臼では「鷲の宿」に宿泊した。眼の前の沢で絶滅危惧種のシマフクロウを観察できることで有名な場所だ。沢の一部に魚が放されていて、特殊な照明で照らされているため撮影しやすいことが特徴となっている。

16時にチェックインし、機材を準備する。宿泊者は部屋の眼前にやってくるシマフクロウを最短距離で観察できる。撮影のみのビジターは若干離れた位置の別棟から見ることになる。場所取りもなく時間無制限で観察できるので、可能なら宿泊がお勧めできる。

羅臼の鷲の宿の様子 The Eagle Inn "Washi no Yado" in Rausu
翌朝の様子。右の白い建屋が宿。中央の茶色のプレハブが食堂兼ビジター用別棟。

前日は16時半にはシマフクロウが来ていたとのことで、すぐに入浴を済ませた。

ターゲットはすぐにやってきた。

木に止まるシマフクロウ a Blakiston's Fish Owl perches on a tree
音もなく木に舞い降りる。実際は魚の周り以外はかなり暗いので、ピント合わせに苦労する。D500 + 500mm, 3 sec, f/5.6, ISO 400, ほぼノートリ ※85mm以外はRAW現像時に露光量増のため露出は参考値
地面に立ち大きく目を見開いたシマフクロウ a Blakiston's Fish Owl standing on the ground, eyes wide open
沢に降りて魚の様子を伺う。D750 + 500mm, 1/90 sec, f/5.6, ISO 6400
魚を取りに翼を大きく広げ水に飛び込んだシマフクロウ a Blakiston's Fish Owl leaps into the water with its wings spread wide to catch fish
ドボン!羽根を広げると相当な大きさだ。D750 + 500mm, 1/90 sec, f/5.6, ISO 3200
魚を捕まえたシマフクロウ a Blakiston's Fish Owl caught fish
魚を捕まえた。
魚を飲み込むシマフクロウ a Blakiston's Fish Owl swallowing a fish
魚は丸呑みです。(足輪が見えるので上とは別個体)D500 + 500mm, 1/90 sec, f/5.6, ISO 3200

照明は1/80よりやや短い周期のパルスらしく、シャッター速度1/80で撮るとストロボのように動きを止めることができる。カメラの設定が1/2ステップだった関係でしばらく1/90で撮影していたが、時々ケラれてしまった。逆に1/10など遅くすると動きがコマ送りの残像になる。暗いので、感度は相応に上げる必要がある。

後ろを振り向くシマフクロウ a Blakiston's Fish Owl looking back
魚が仕込まれてない沢でも探索する姿が見られた。D500 + 500mm, 1/10 sec, f/5.6, ISO 6400
川の中に立つシマフクロウ a Blakiston's Fish Owl standing in the stream
D500 + 500mm, 1/10 sec, f/5.6, ISO 6400, ノートリ

この日は2羽が繰り返し現れ、夕食をいつにするか迷うほどだった。

沢の様子と枝に止まるシマフクロウ A stream and a Blakiston's fish owl perched on a branch
木の枝で様子を伺うシマフクロウ。現場は実際はほぼ真っ暗なので、かすかにフクロウの影があるかな?程度。D750 + 85mm, 1 sec, f/1.4, ISO 800
月に照らされる雲と星空 Clouds and starry sky lit by the moon

この鷲の宿、流氷など目当てに来訪者が多くなる2月は、外国客を中心に春(10ヶ月前)から予約で一杯だとのこと。シマフクロウは流氷と関係ないので、今回12月にしたのは結果的に正解だった。

観察記録
ノスリ
オオハクチョウ
ウミネコ
オオセグロカモメ
カモメ
ユリカモメ
シロカモメ
オナガガモ
オジロワシ
マガモ
アオサギ
カワアイサ
シマフクロウ
エゾシカ
キタキツネ

三日目に続く

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